不動産鑑定士とは

不動産鑑定士は、「不動産の鑑定評価に関する法律」で定められた国家資格であり、不動産鑑定士(不動産鑑定士補を含む。)のみが、不動産鑑定業者の業務として、不動産の適正な価格の判定、すなわち不動産の鑑定評価を行うことができます。

不動産鑑定士が鑑定評価を行う主な公的な業務

不動産鑑定士が鑑定評価を行う主な公的な業務は以下となります。

地価公示(国土交通省)

地価公示は、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1月1日現在の標準地の正常な価格を公示することを目的に、「地価公示に関する法律」により定められた制度になります。一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格算定の規準とされます。また、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の規準とされる等により、適正な地価の形成に寄与することを目的としています。

地価調査(都道府県)

地価調査は、都道府県が国土利用計画法における価格審査基準及び同法に基づく規制区域内の土地の取引価格の算定の基準とすることを目的として定められた制度になります。都道府県内のすべての市町村に価格調査ポイント(基準地)を設定し、この地点を不動産鑑定士が鑑定評価を行います。これを基に毎年7月1日現在の単位面積当たりの標準価格を知事が判定し、その結果を公表しています。この調査は、国が行う地価公示を補完する役割も担っています。

相続税・贈与税の算定基準となる標準地の鑑定評価(国税庁)

相続税路線価とは、国税庁が毎年発表するものであり、相続税や贈与税を算定する際の基準となる価格です。その相続税路線価を決める際の基準となる標準地の鑑定評価は不動産鑑定士が行っています。

固定資産税の算定基準となる標準地の鑑定評価(市町村)

土地の相続税の評価は、総務省が定めた「固定資産評価基準」に行うものとされています。不動産をお持ちの方に毎年送られてくる納税通知書に記載されている固定資産税の土地評価額、この固定資産税の土地評価額の基礎となる価格を算定しているのが不動産鑑定士です。

競売・公売の売却基準額の鑑定評価

裁判所が行う不動産の競売、財務局や自治体が行う不動産の公売の売却基準額を決める鑑定評価も不動産鑑定士が行っています。