不動産の売却を考えています。よい不動産業者の選び方を教えてください。

売却をお急ぎの場合は、やはり営業力のある大手の不動産業者さん、または地元に精通した地場の不動産業者さんにお願いする方が多いです。また、宅地建物取引業者の登録番号の数字が大きい業者さんは、それだけ長く不動産業をやられている分、老舗といえます。ただし、売却の際、法外な費用、例えば多額の建物の取り壊し費用を要求するような不動産業者さんは、避けられた方が無難です。

不動産の売却を考えています。不動産業者の査定価格が安すぎると思いますが。

築年の経た戸建住宅の場合、買い手の方は不動産を購入後、既存の建物を取り壊して新に建物を建てることが通常であり、既存建物の解体費分、売却価格は安くなるのが一般的です。ただし、中には既存の建物の解体を前提に取り壊し費用分の値引きを要求し、不動産を安く購入後、建物をリノベーションして再販する不動産業者(買取再販業者)もあるので注意は必要です。

不動産の売却を考えています。数社の不動産業者に査定を依頼しましたが査定価格にばらつきがあります。なぜでしょうか?

不動産の鑑定評価の場合、国土交通省が定めた不動産鑑定評価基準に則って価格を決定するため、複数の不動産鑑定士が鑑定評価を行っても価格は概ね一致することが通常です。一方、不動産の価格査定は査定する不動産業者によって査定方法もまちまちで、査定される価格の精度にも差がある印象があります。このような理由から、各社の査定価格にばらつきが出るものと考えられます。

賃貸マンション、コーポ等の収益物件の査定でしょうか?

当事務所が行っている不動産価格査定は、公益財団法人不動産流通センターが作成した不動産価格査定マニュアルに則って査定されたもので、戸建住宅、区分マンション及び住宅地を対象としています。賃貸マンション、コーポ等の収益物件については不動産鑑定評価書にて対応は可能です。

知り合いの不動産業者に売買をお願いしようと考えていますが。

信頼のおけるよい業者さんであればお願いしてよろしいかと思います。但し、万が一トラブルが発生した際、親しいがゆえにクレームを言いにくというリスクがあることも心に留めておくべきかと思います。

最近、AIによる不動産価格査定という言葉をよく聞きますが、その査定価格は適正でしょうか?

AIによる査定は、過去の膨大な取引事例をデータベース化し、そのビッグデータを使用して不動産の価格を査定する方法です。適正な査定のためには、そのデータが正確であることが必要であり、膨大な取引数であることが前提となります。

従って、AI査定は都心部のマンションや大規模な住宅団地内の不動産など、過去に類似性の高い取引が多数存在する場合には極めて有効な方法であり、精度の高い査定価格が試算されると考えられます。

一方、取引が少ない地域の不動産については過去の取引価格にもばらつきがあり、AIによる適正な査定は難しいと思います。また、特殊な不動産や築年を経た建物はその有する個性を反映させることが難しく、AIによる査定価格の精度は劣ると考えます。